感性価値指標化技術のサービス化~感性価値指標化技術をベースとした、個人・産業のものづくり支援~
⑤【関西学院大学】
感性価値創造インスティテュート
長田 典子所長
https://ist.ksc.kwansei.ac.jp/~nagata/index.html
特許 公開特許出願に基づいた技術 / 登録特許に基づいた技術 / 特許出願していない技術
技術概要
人の気持ちや感じ方を基準としたものづくりをするための技術研究と仕組み作り。
高級感や特別感を感じたり、わくわくしたりする気持ちの本質を“感性価値”と定義し、その価値に沿った製品やサービスを創ることができる社会的な仕組みと、新たな感性を蓄積し、共有し、利活用するための仕組み(情報サービス)を創出することで、社会の価値観を、感性を基準としたものへ転換し、豊かで持続可能な社会を実現する。すなわち、SDGsへの貢献をめざす。
具体的には、生理・心理測定からCGやシミュレーション、AI、ビッグデータ解析など幅広い手法を活用し、感性価値メトリックがユーザーの属性や時代の変化に柔軟に対応できる手法の開発、感性価値メトリックに関わるビックデータの収集、解析、更新手法の開発を促進。
- 研究開発における4つのコア技術:
- 1.感性を指標化し個人ごとにモデル化する「感性価値メトリック」
- 2.感性と物理量の関係のモデル化によって感性を満たすものづくりを支援する「感性ソムリエ」
- 3.デザインプロセスを構造化し、個人が自ら価値を具現化する活動を支援する「デザインナビ」
- 4.個人の心的状態を非接触で測定する「ヒューマンセンシング」
既存技術・競合技術との比較
・感性デジタルビスポーク(感性AIソムリエ)と既存サービスとの比較
ファッション・アパレル分野では、画一的なサービスではなく、個々の顧客ニーズに応えられる、パーソナルな接客が求められている。そこで、収集したデータに基づいた、より顧客の期待にマッチする精度の高い接客を実現。
店舗の地域性や顧客層に合った提案や、常にアップデートされた情報をもとにした最適な生地の提案することが可能で、購入履歴のない新規客に対しても、顧客がその場で感性的な要求を入力することでAIがその人に適したものを推薦できる。
・触感計測システムと既存製品との比較
先行事例(製品)では、指の変形度合いや振動などの特定の物理量や、これら物理量と触感を結び付けようとした研究(製品)があるが、自ら手指を動かして感じる能動的な感覚の解明が十分にできていない。本システムを用いることで、指の受容器の特性を考慮した触覚・触感情報取得装置及び情報の分析・評価により高精度な触感評価を実現できるとともに、メトリックに基づいて触感定量化の根拠を感性的(印象語を用いて)に説明できるようになる。
新技術の特徴
・さまざまな分野に応用可能な「感性デジタルビスポーク(感性AIソムリエ)」
・触感を推定できる触感計測システム
・初心者が容易に製品の外観デザインを作成できる「デザインナビ」
活用が想定される業種
・環境、食品、化粧品、ファッション、介護、自動車、電機、機械、金属、化学、材料、光学、計測器、等
想定されるビジネス用途
人が接する製品、材料、サービスなど全てが対象となり、多分野、多業種で活用することが可能。感性価値指標化技術を用いてユーザーがどのように製品を捉えているか、どのような製品を望んでいるかを知ることで、製品開発の方向を知ることが出来る。
活用可能な技術の一例:
・「感性価値メトリック」
製品が持つ価値・印象・物理量の3層からなる感性の階層モデルをレビューやツィートなどSNSから自動的に構築する技術。
・「感性ソムリエ」
所望する製品の“質感”を直感的に実現し、プロダクトデザインにおける質感表現の高度化・簡便化をサポート。ファッション分野への適用例として、ユーザーの好みに合った見た目やさわり心地の生地をレコメンドするシステムを、高島屋5店舗の紳士オーダーサロン「タカシマヤ スタイルオーダー サロン」で2019年9月から展開している。
現在のニーズ
・共同研究先
さまざまな企業との共創により、新しい課題に共に取り組んでいきたい。