fbpx
JP | EN

スタートアップで働く人

島津 共則 氏

banner1.jpg

「企業は人が作る。」スタートアップが成長する過程において起業家は多くの仲間と出会い、共に長い道のりを歩みます。スタートアップで働く人は、どのような経緯で企業にジョインしたのでしょうか。

一人一人に焦点を当てるとそこには様々なご縁で繋がった、イキイキと輝きながら働く姿がありました。

社会への想い。社員への想い。
経営陣の「本気」に共感した

島津 共則 氏 / マーケター

株式会社Beso(2019年設立)
在籍年数7か月
https://www.beso.work/
・税理士事務所向けシステム開発
・freee導入支援コンサルティング
・freeeアプリ開発

会計業界にイノベーションを起こし新たな未来を築く

税理士や会計士は、企業経営において専門知識を活かし、経営者の頼もしいパートナーとして活躍している。決算書をはじめとした様々な書類の作成や、それらに基づく経営状況の分析、資金面を中心とした経営に関するアドバイスなどは、プロならではの仕事と言える。一方で、業務量が膨大なうえに業務の性質は属人性が高いため、個人にかかる負担が非常に大きいという課題もある。また、チャットなどをはじめとするコミュニケーションツールが増えたために、情報が分散し、さらに業務の煩雑性が増している。

このような状況のなか、『税理士業界と世界の企業へ、新しい成長を。喜びを分かち合うために』をミッションに掲げ、経営者の支援や税理士・会計士向けソリューションの提供に取り組んでいるのが株式会社Beso(以下、Beso)だ。代表取締役CEOで元プロ野球選手の白木淳郎氏と取締役COOで税理士の仲田芽衣氏が2019年に設立した。
BESOは、現場で生じる税理士のリアルな悩みを吸い上げてブラッシュアップし、問題を解決に導くプロダクトに活かすことを目的として、グループ会社である税理士事務所を自社内で運営している。これにより、税理士事務所の業務を改善する「ZoooU(ゾウ)」というプロダクトの開発を進めている。

島津共則氏は、2022年1月にマーケターとしてBesoに加わり、マーケティング業務全体を受け持っている。入社後、まず取り組んだのは『ミッション・ビジョン・バリューの再定義と社内への浸透』それと並行して、すでにリリースされている業務効率化支援サービスのWEBサイトディレクションと公開、営業ツールの作成など、マーケターとして日々奔走している。

急な方針転換も、本質を見つめればむしろ喜ぶべきこと

カフェやジュエリーショップで店長を務めた後、バックオフィス系企業のWEB事業部で勤務した島津氏。業種を越え、リアルとオンラインという垣根も越えて、集客やリピーターの獲得に取り組んできた経験と、そこで得たスキルを統合し、会社全体のマーケティングを支える役割にチャレンジしたいと考え、転職を決めた。

「スタートアップに転職したいという意識はまったくありませんでした。希望の条件にマッチする会社を絞り込んでいったら、最終的にスタートアップにたどり着いたという感じです。Besoに入社する決め手となったのは、共同代表である白木と仲田の『人柄』です。オンライン面談で話をしてすぐ、この人達と一緒に働きたいと思いました。それまでの転職では、自身のスキルを提供し、それに対して報酬を得るという『ドライな視点』で会社選びをしていましたが、今回は大きく異なる視点で入社を決めました」

代表取締役CEOの白木氏(中央)、取締役COOで税理士の仲田氏(右)と

「『人柄』をもう少し具体的に言うなら、面談の際の言葉遣い、価値観や考え方ですね」と島津氏は振り返る。“業界を変えていきたい、フラットな組織を作りたい”という目標も、2人の言葉で直接語られることで説得力が増した。面談の途中からは“この人達と働いたら楽しそう”という思いが芽生え、入社へと至った。

「もちろん、スタートアップに対する漠然とした不安はありました。でも、どんな会社に転職するときも不安はつきものです。それなら、“やるだけやってみよう。これまでに得た経験とスキルを使って全力で提案し、アウトプットしていけばいい”と考えたんです」

様々な業界で仕事をしてきた島津氏だが、「基本的には、仕事の進め方は新しい場所に合わせていきますね。自分なりの方法を取り入れていくのは、新しい場所にある程度馴染んで結果も出せてからです」と言う。そんななか、Besoにおける自分の経験の活かし方や期待されている役割を実感した出来事があった。

「私はもともと、考えを図式化して表す習慣がありました。ある会議のときに白木と仲田が話した内容を図式化し、2人に示したことがあったんです。すると2人は、“これが言いたかった!もやもやがスッキリした!”と言って、すごく喜んでくれたんです。喜んでもらえて私自身も嬉しかったですし、物事を言語化・構造化することが、私なりのBesoへの貢献の方法だと気付くことができました」

入社したころ、スタートアップならではの出来事にも遭遇した。何か月もかけてメンバーと議論し、もうすぐリリースできるとなったサービスに、リリース直前で大幅な変更が加わったのだ。マーケターとして島津氏が準備していた施策も、根本的な修正が必要となった。

「そのときは、“これがスタートアップか!”と思いましたが、ネガティブな気持ちはまったく生まれませんでした。むしろ、『改善の余地があるサービス』を無理やり世の中に送り出すことにならずに、心からホッとしました」

それまでの仕事でも、島津氏はマーケターとして、『改善の余地がある商品やサービス』を数多く見てきた。

「しかし、それを補って売上につなげるのが『マーケターの役割』だと自分を納得させてきました。とはいえ、“本当にいいものを、自信を持って世の中に届けたい”というのが本心でした。今はマーケターとしての枠組みを越え、Besoの一員として『本当に価値あるものを届ける』という一点に集中して仕事に取り組むことができる。それが一番のやりがいとなっています」

事業に深く関われる喜びと出合う

島津氏は、それまでに関わった仕事で、マーケターは商品やサービスを世の中に届けることが役割であり、WEBをはじめとして特定の領域にしか関わることができない、『もどかしさ』を感じていた。

「今は、マーケターでありながら、サービス構築の根っこの部分から関わることができます。職種を問わず、社員みんなが意見を出し合い、プロダクトを作り込んでいる。私が今まで感じていた『もどかしさ』がここにはなく、むしろ精度の高い改善案と根拠が積極的に求められます」

現在Besoでは、お客様(税理士事務所で働く方々と、顧問先である企業の方々)の課題を解決できるプロダクトの開発に向けて、ユーザーへのヒアリングやテストを活発に行っている。お客様からいただいた声をもとに“まだ言葉になっていない本当の課題とは何か?”を言語化することこそ、自身の役割だと島津氏は考えている。

「プロダクトの正式リリースは2022年11月を予定しています。その時期に合わせ、マーケターとして、サービスの認知拡大に全力で取り組んでいきます」

複数の企業で仕事を経験し、自身の経験とスキルを統合するという目的で新たな職場を模索した結果、スタートアップにたどり着いた島津氏。

「今、改めて『誰と働くか』、その重要性を感じている」と言う。 「どの会社で働くにしても、一緒に働く仲間との相性はとても重要です。経営者の個性が組織に反映されやすいスタートアップでは、特にその傾向が強いと思います。自分と経営陣との相性が合うかを考えるためにはまず、自分が何を大切にしたいのかをはっきりとさせておく必要があります。そこで、どんな働き方をしたいのか、仕事に何を求めているのかなどを、日頃から自問自答しておくことをおすすめします。言語化することで、頭の中でもやもやしていたものが明確になっていきます。そのうえで転職先の候補企業を見つめてみたり、経営陣との面談に臨むと、相性の良し悪しを見極めやすくなると思います」

会社のメンバーと

スタートアップへのイメージ

<Before>

  • ●頭のいい人、優秀な人が集まっている
  • ●労働環境が厳しそう
  • ●40代の自分には縁のない世界

<After>

  • ●想いを共有する人が集まっている
  • ●本気で社会を変えようとしている
  • ●40代でも一員になれる

自社のイイトコロ

代表の白木と仲田は本当に気さくで、一緒に仕事をしていてとても楽しいです。2人は、社員全員がフラットな関係で働けることに何よりも心を配ってくれています。1人ひとりが能力を発揮できることや、仕事を通じて成長できることを大切にするという白木と仲田の考え方が、組織の求心力になっていると思います。また、2人の社会を変えていこうという本気の想いも、メンバーを束ねる大きな力です。この想いに共感したメンバーが、年齢やキャリア、職種を越えてどうすれば課題を解決できるかを自由に語り合うのです。それはまるで、文化祭の前日の夜の準備中のような雰囲気。自分もメンバーに加わることができて、とても誇らしいです。

スタートアップで働こうと考えている人へ

社会を変えていこうと本気で考え、行動している人たちがこんなにもたくさんいることを、Besoで働くようになって初めて実感として知ることになりました。当社のメンバーもそうですし、同じオフィスビルに入居している他のスタートアップの企業に勤める方々も、同様の熱い思いを持っていると想像すると、心が熱くなります。スタートアップで働くことに不安もあるかもしれませんが、そのような仲間とともに働き、目標に向かってまい進するという体験は、スタートアップだからこそ得られるものだと思います。私はBesoに入社してから、自分の仕事のことを子どもに話す機会が増えました。誇りを持って働きたい、仕事を通して社会に貢献したい、といった視点で会社を選ぶのであれば、スタートアップは有力な候補になると思います。

スタートアップで働こうと考えてる人
スタートアップで働こうと考えてる人

2022年7月8日取材

(文:松本守永)

一覧ページへ戻る

BACK