開催概要
大阪イノベーションハブでは、大学の研究シーズを研究者から発表頂き、企業とのマッチングを図る産学連携テックミーティングを定期的に開催しています。コロナ禍において、前回に引き続き、観覧者はウェブ会議システムを使用し、リモート聴講いただく形で開催しました。
今回のテーマは、日本政府が掲げた目標「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」というカーボンニュートラルに焦点をあて開催しました。
冒頭では、目標達成に挑戦することをコミットした企業に対して、技術開発から実証・社会実装まで継続して支援を実施する「グリーンイノベーション基金事業」を設置した新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からグリーンイノベーション基金事業統括室 齋藤 輝明主幹より本事業の概要及び最新の公募情報について、ご紹介いただきました。
その後、3名の大学研究者と1名の大学発ベンチャーから、カーボンニュートラルをめざした研究シーズや取り組みについて発表いただきました。
1人目は、同志社大学 理工学部 環境システム学科 後藤 琢也教授より、全く水を必要としないCO2分解システムや水電解と同程度のエネルギーでの炭素と酸素に分解する技術や同大学が設置した「カーボンリサイクル教育研究プラットフォーム」についてお話しいただきました。
2人目は、龍谷大学 政策学部 大石 尚子准教授より、亀岡市、立命館大学、京都先端科学大学、龍谷大学が連携して取り組んできた、炭素貯留型農業のしくみづくりと、ブランド作物(クルベジ)の生産を通じて、地域農業と農村コミュニティの活性化を目指す事業について発表していただきました。
3人目は、関西大学 環境都市工学部 荒木 貞夫准教授より、従来の吸着法よりもより省エネルギーなプロセスとして注目されている膜分離に関して、多孔質支持体の合成技術を用いた、高いCO2分離性能、耐熱性をもつゼオライト膜の合成技術について発表していただきました。
4人目は、大阪大学発ベンチャーのマイクロ波化学株式会社 取締役CSO 塚原 保徳 氏より、再生可能エネルギーによる「電化」と「マイクロ波プロセス」の2つの要素を掛け合わせて製造プロセスを構築し、CO2排出削減を可能とする技術やマイクロ波の技術的な説明からカーボンニュートラルに向けた戦略・ロードマップについてご説明いただきました。
グリーンイノベーション基金事業統括室 齋藤 輝明主幹による講演の様子
メッセージ
今回の産学連携テックミーティングもリモートでの開催となりましたが、140名のお申込みがあり、105名の方にご参加いただき、盛況の中、終了しました。
世界規模で注目されている「カーボンニュートラル」をテーマにしたことで、化学メーカーや製造業の企業様のみならず、金融機関や行政関係の方にも多く、ご参加いただきました。
今後も、産学連携テックミーティングでは、旬な情報や企業様のニーズに応えるような技術をテーマとして開催していきます。
今後の産学連携テックミーティングで取り上げて欲しい技術やテーマについても、下記担当者までお知らせいただければ、検討していきたいと存じますので、よろしくお願いします。
【大阪イノベーションハブ 産学連携担当】
連絡先 電話:06-6359-3004 E-mail: ohclub@innovation-osaka.jp
イベント概要
産学連携テックミーティング「カーボンニュートラルをめざした大学研究シーズ特集」
開催日時 2021年7月29日(木)