
開催概要
25歳前後の若手人材を対象に、自分に合った働き方として“起業”を選択肢に加える機会を提供するプロジェクト、「START LINE OSAKA」。
2025年3月9日、本プロジェクトの2024年度の集大成として、「START LINE Fes 2025 in OSAKA」が開催されました。イベントでは、異色のキャリアを持つゲストによる講演や、起業・イノベーションに関する各種セッションを実施。学生がメイン層であった参加者にとって、起業やキャリアについて学びの多い1日となりました!
【講演】
<テーマ>
どこで働くか、どう働くか。今から考えるキャリアの形
<登壇者>
村瀬龍馬 氏(株式会社MIXI 取締役 上級執行役員 開発、デザイン、セキュリティ担当)
イベント最初のプログラムは、株式会社MIXIの村瀬氏による講演。専門学校を半年で退学したのち同社に飛び込み、SNSや人気ゲームの開発に携わってきたという経歴について詳しくお話しいただきました。「全く計画性がなく、大人になるまで“文系・理系”という言葉も知らなかった」と語り、参加者が驚きのリアクションを見せる場面も!

講演の様子
講演の後半では、スキルとキャリアの関係について持論を展開。「知識だけがスキルになるのではなく、自身の特性もスキルになる。スキルをツリー状に広げていくことで、キャリアの選択肢が広がる」と、自分が元来持っている向き不向きを柔軟に捉えることの大切さをお話しいただきました。
その他にも、「他人からのフィードバックはギフト」「モヤモヤから抜け出す自分なりの方法を早めに知っておくことが重要」「これからAIの活用は必須」など、具体的な例を交えながら、キャリアを構築するためのポイントを解説。最後には、「何をしていいか分からない人は、“予想して、走って、修正する”を繰り返して欲しい。ぜひ今日、半歩踏み出しましょう!」と熱いエールを贈ってくれました。
【セッション】
<テーマ>
挑戦を加速させる仕組み、オープンイノベーションのリアル
<登壇者>
梅林英貴 氏(株式会社イノスタ 代表取締役)
武井啓 氏(川崎重工業株式会社 企画本部イノベーション部共創課 主事)
渡邉秀斗 氏(一般社団法人うめきた未来イノベーション機構 プロジェクト推進・共創企画室 マネージャー)
モデレーター/雪田清子 氏(公益財団法人大阪産業局 大阪イノベーションハブ コーディネーター)
続いてのセッションでは、外部との協業を通じて新規事業開発を加速するオープンイノベーションに取り組む3名が登壇。大企業、スタートアップ、支援者という異なる立場から、効果的な協業の形やキャリアの新たな選択肢について、興味深いトークが繰り広げられました。

セッションの様子
渡邉氏は、「最近は関西の大企業もオープンイノベーションに慣れてきており、協業の事例も増えている。だからどのようなキャリアを選んでも、意欲さえあれば新しいことに挑戦できる」と展望。
川崎重工業株式会社で事業開発に関わる武井氏は、スタートアップとの協業を通じて配送サービスロボットを開発した事例を紹介。「協業によって大企業では考えられないスピードで開発が進んだ」と、オープンイノベーションの意義を強調しました。
大企業からの出向でスタートアップを経営する梅林氏は、「勤めている会社からスピンアウトして自分で事業を推進できる人材が増えれば、さらにイノベーションが起きやすくなる」と、これからのイノベーション創出の機会に期待を寄せました。
最後は、「オープンイノベーションを通じて、世界が驚くような関西発のビジネスを生み出していきたい」と三者共通の夢を力強く語り、セッションは幕を閉じました。
【セッション】
<テーマ>
先輩起業家が語る!挑戦する学生へ
<登壇者>
上泉雄暉 氏(株式会社Unyte 代表取締役CEO/日本DAO協会 Rep Holder)
小谷瑞季 氏(合同会社Quicken. 代表)
モデレーター/槙島江梨佳 氏(公益財団法人大阪産業局 大阪イノベーションハブ コーディネーター)
次のセッションでは、参加者のメイン層である学生と年齢の近い、2名の若手起業家が登壇。「どんな大学生だった?」「大学生のうちにやっておくべきことは?」など、参加者が今の自分と重ね合わせられるようなトピックについて語っていただきました。

セッションの様子
「大学生時代はあまり勉強せず、トレーディングカードを売るWEBサイトを自分で作って運営していた」と話す上泉氏。自分のやりたいことで対価を得られる社会作りをめざしていたため、当初就職は予定していなかったものの、いったんは大企業に就職し、その後、より自由度の高い環境を求めて起業したという自身のキャリアを振り返りました。
現役の大学生でもある小谷氏は、起業部の設立やダンスサークルの運営など、大学での活動を紹介。「何をしたいか?」で悩む学生に対しては、「2~3時間やり続けられる=やりたいこと」程度に、やりたいことの基準を下げることを推奨。「“なぜ、それをするのか?”は、やりながら見えてくるので、必ずしも明確である必要はない」と、これまでの経験を踏まえたうえでの見解を示してくれました。
年齢の近い先輩達のリアルな経験談に対し、「就職ではなく、起業によって夢を実現しようと考えた理由は?」「起業の一番のハードルは?」「学生という身分で困ったことは?」など、参加者からは質問が飛び交い、終始熱のこもったセッションとなりました!
【セッション】
<テーマ>
挑戦の場はここにある START LINE OSAKA~私たちが見つけたスタートのカタチ~
<登壇者>
寺田優雅 氏(近畿大学 国際学部 2年)
新谷孝光 氏(近畿大学 経営学部 2年)
石田諭基 氏(同志社大学 経済学部 2年)
モデレーター/坂木茜音 氏(株式会社スタジオプレーリー 共同代表)
続いては、「START LINE OSAKA」のプログラムに参加した3名の学生が、参加の動機や得られた学びを紹介するセッションです。

セッションの様子
伝統工芸をテーマに起業をめざす石田氏は、「START LINE OSAKAのプログラムは、事業を生み出すステップをひと通り経験できる非常に実践的な内容だった。スケジュール管理や意見調整の難しさを乗り越え、チーム運営のスキルが身に付いた」と回想。
新谷氏は、「デザイン思考のプロセスを1からすべて学ぶことができた。これからゼミでサービスデザインに取り組むので、一歩リードした状態で臨める」と、学業にもプラスになっていることを教えてくれました。
また寺田氏は、「サービスデザインのコンテストで負けたのがとても悔しく、逆に自分の本気度に気づくことができた」と振り返りました。
3名のエピソードに対し、モデレーターの坂木氏は、「誰もが社会人になってからぶつかるような壁を、一足早く経験して乗り越えている」と、プログラムの意義を強調しました。
【セッション】
<テーマ>
グローバルで学び、挑むOIHサポートプログラムセッション
<登壇者>
髙橋英眞 氏(神戸大学 起業部)
西大河 氏(慶應義塾大学 1年)
金森琥珀 氏(一般社団法人ベンチャー・カフェ東京 Program Lead)
モデレーター/石川友里絵 氏(公益財団法人大阪産業局 大阪イノベーションハブ コーディネーター)
イベント最後のプログラムは、2月にアメリカ・ボストンで行われた、海外ワークショップ参加者によるセッションです。まずは、2名の参加者が現地でも行った英語ピッチを披露。その後さらに4名が加わり、海外ワークショップで印象に残ったエピソードや現地で得られた学びを振り返りました。

セッションの様子
登壇者たちがまず強調したのは、「ピッチの概念が覆った」ということ。現地学生のピッチはインパクト重視で趣向を凝らしたものが多く、「こんなに自由なスタイルでいいんだ!」という衝撃を受けたそうです。また、「行動がすべてに勝る」という考え方のもと、失敗を許容する文化を肌で感じたことも教えてくれました。
「ビジネスモデルがなくても、アイデアがあればすぐに参加すべき」「英語力よりも熱意のほうが大切なので、英語が苦手な人にこそ参加して欲しい」など、海外ワークショップに興味のある参加者へのメッセージも贈られ、イベント最後のセッションは幕を閉じました。
【プログラムを終えて】
全てのプログラムが終了した後、参加者は大学や企業の枠を越えた交流を楽しみました。
客席にいた高校生の1人は、「起業に興味があるけど不安もあったので、“とにかく行動”という言葉に勇気づけられました。今後も参加したくなりました」とコメント。また、学生の海外留学を支援しているという参加者は、「積極的な学生とたくさん出会えて刺激になりました」と、嬉しい感想を寄せてくれました!

プログラム終了後の様子
「START LINE OSAKA」では今後も、“何かに挑戦してみたい”という方に向けたイベントを多数開催予定です。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご参加ください!
<次回イベント予告>
【START LINE OSAKA Meetup!】未来の自分を想像しよう、働き方の選択肢は無限大!
開催日時:2025年4月26日(土)13:30~16:30
申込締切:2025年4月25日(金)17:00
場所:大阪イノベーションハブ
イベント概要
START LINE Fes 2025 in OSAKA
開催日時 2025年3月9日(日)