開催概要
オランダに本部を置く非営利スタートアップ支援団体「Unknown Group」が運営するグローバルピッチイベント「GET IN THE RING」は、現在100カ国、10,000以上のスタートアップが参加。毎年、世界各国で地域大会が開催されており、その日本大会を大阪にて開催。今年度で9回目の開催となる。通常のステージではなく、リングを用いた演出で1対1のピッチバトルを行う形式が特徴。優勝者は翌年秋頃に海外で行われるグローバルファイナルへの挑戦権が得られる。
グローバル展開をめざすスタートアップのピッチコンテスト「GET IN THE RING」の日本大会・決勝バトルを11月26日に開催。今年度は「AI」をテーマとし、Generative AI(生成AI)、Machine Learning(機械学習)、Deep Learning(深層学習)などグローバル市場でビジネスの拡大を期待できるスタートアップ企業6社が登壇しました。
まず、最初のバトルはライト級です。
<ライト級>
(赤コーナー)株式会社Geek Guild
(事業概要)AIの小型化およびハルシネーション対策可能な「キャッシュAI」を開発中
(青コーナー)株式会社 Mirai Innovation研究所
(事業概要)AI、ロボティクス、ニューロテクノロジー、VR、ARの画期的な研究に基づく製品を開発
Mirai Innovation研究所が開発する脳波を分析する『ニューロセンシング技術』は、画期的でヘルスケア分野の活用が期待されています。高齢者に対する記憶力や集中力を向上させる認知トレーニングは、認知力の低下を防ぐサービスになり、利用者の脳波をリアルタイム分析して、すぐに最適化が可能。対して、Geek Guildのプロダクトは、ChatGPTより情報の正確性に優位性があるとのことで、こちらもヘルスケア分野での活用が期待されています。
両社の緊張感高まるQ&Aセッションのあと、勝利の軍配は株式会社Geek Guildにあがりました。現在のビジネス実績とプロダクトのスケール性、加えて情熱溢れるピッチが勝利の決め手となりました。
そして、次のバトルはミドル級です。
<ミドル級>
(赤コーナー)株式会社SponsorForce
(事業概要)スポーツスポンサーシップのデジタルプラットフォーム「SponsorForce」の開発・運営
(青コーナー)Xpress AI
(事業概要)カスタマイズした高度なAI駆動型オートメーションサービスを提供
AIエージェントの開発をするXpress AI社。あまり聞きなれない言葉ですが、AIのアルゴリズムを駆使した自立型AIエージェントは、人間が設定した目標を達成するために、必要なデータを収集し、そのデータに基づいて自己決定タスクを実行するソフトウェアプログラム。事業設計、マーケティング戦略、そして人材雇用など、人間の作業やマネージメントを自動化することができます。対してSponsorForceは、スポンサー企業を探しているスポーツチームとスポンサーをしたい企業を最適なチームとマッチングするプラットフォームを開発しています。
どちらもプロダクト・サービス内容が斬新で、実用性のイメージがしやすく魅力的な市場にアピールするものでした。勝利の軍配は、実績と商業化の実現性がより明確だった株式会社SponsorForceにあがりました。
そして、最後のバトルはヘビー級です。
<ヘビー級>
(赤コーナー)カサナレ株式会社
(事業概要)生成AIを自社仕様にカスタマイズする「Kasanareテクノロジーピース」を組み合わせたSaaSサービスの提供
(青コーナー)Xsym (エクシム)株式会社
(事業概要)生成AIベースの画像AI・開発基盤シミュレーションを中心とした独自の技術を開発
企業の課題に合わせたカスタマイズ型ソリューションを提供するカサナレ。独自技術である「カサナレテクノロジーピース」は、LLM OpsやRAG技術を組み合わせることで、企業や部署ごとに最適化されたAIアプリケーションの開発・運用をしています。対してXsymのサービスは、データ生成制御技術と掛け合わせた独自シミュレーション環境「sym X」で、産業用画像AIを開発。主に製造業や自動車業界のサービスに注力。
両社ともすでに大企業との協業実績を持ち、プロダクトの商業化も進む中、カスタマーサクセスをコアビジョンとするカサナレ株式会社に勝利の軍配があがりました。
全ての登壇企業のサービスは、私たちに新たな最新テクノロジーを駆使したサービスを教えてくれるものばかりでした。これからの世界と私たちの日常生活をも変えていく「AI」の進化は、幼いころに見た映画や漫画で使われていた魔法のツールを思い浮かばせるものばかりです。そんな未来の生活を今、実現可能にしていくスタートアップ。人間を置き換える「AI」ではなく、私たち人間のこれからに寄り添う「AI」が社会実装される近い未来はすでに始まっています。そんな画期的な未来を築き上げていくスタートアップをこれからも応援していきたいと思います。
表彰式では、<ライト級>株式会社Geek Guild、<ミドル級>株式会社SponsorForce、<ヘビー級>カサナレ株式会社に審査員からトロフィーが授与されたほか、スポンサー企業よりスポンサー賞が発表されました。各階級を制した3社は世界大会への出場権を獲得し、世界大会優勝を賭けた挑戦が続きます。
「世界へ」羽ばたくスタートアップが集まる場所「大阪」から、予選参加企業を含む、すべてのGET IN THE RING OSAKA 2024に登壇したスタートアップの発展を大阪イノベーションハブは引き続き支援していきます。
ご参加いただいたスタートアップ、審査員、スポンサー企業をはじめ全てのみなさま、本当にありがとうございました!
イベント概要
GET IN THE RING OSAKA 2024 – AI Revolution –
開催日時 2024年11月26日(火)17:00-18:15