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イベントレポート

【2023年2月17日開催】GET IN THE RING OSAKA 2023

開催概要

【GET IN THE RING OSAKA 2023 -Health Tech-】

大阪イノベーションハブがホストするオランダ発のグローバルピッチコンテスト「GET IN THE RING 」。7年目の開催となった今回のテーマは、「ヘルステック」。

全世界共通の課題にチャレンジし、世界展開をめざす日本発のヘルステックスタートアップ6社が、ここ大阪のリングに集結し、優勝を賭けたバトルに挑みました!

昨年度に続き、完全オンライン行われたピッチバトルでは、個性的なスタートアップが予選から決勝大会に参加し、ハイレベルなピッチを展開しました。

決勝バトル本番がオープニングソングとともにスタートすると、リングマスターの Nathan Bryanさんが軽快に登場!バトルの説明と審査員をテンポよく紹介し、決勝バトルの幕がいよいよ開きます。

まずは、ライト級バトルからスタートです。

<ライト級バトル>

Osaka Heat Cool Inc.
CEO 伊庭野 健造 氏

温度による痛みの錯覚でかゆみの辛さを解決する、「サーモスクラッチ」は熱と冷の刺激を同時に加えることで、チクチクした感覚を提供し、肌を掻いたり傷つけたりすることなく、かゆみを和らげ、世界中の人のQOL向上に貢献します。 熱、材料、電子、モダリティ、コンピュータと人間のインタラクションを専門とする5人のエキスパートから成るチームにより、五感をハックする製品を開発していきます!

Smart Tissues Ltd.
Co-Founder Denise Zujur 氏

ヒトの生体組織や臓器をバイオプリントするための、抗菌性・汎用性のある日本初のバイオインクを開発するSmart Tissues。バイオプリンティングを可能にすることで、研究・臨床現場での時間・コスト削減を実現します。医薬品開発、基礎研究の現場で研究者は材料の心配がなくなり、将来的には移植臓器の不足を解決する可能性も秘めています。

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初戦から審査員の票が、赤、青と分かれ、手に汗握る展開となりました。審査の結果、勝利の投票を得たのは、Smart Tissues CEOのDenise Zujur 氏でした!

「ヒトの生体組織をバイオプリントする」バイオインク開発技術の研究、新薬開発の現場への汎用性、将来性が評価されました。また、海外出身で留学後、日本で起業したのチームの勝利となり、今後の活躍が期待される結果となりました!

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一方、Osaka Heat Coolに対しては、「かゆみ」の課題解決するための明確なロードマップから評価は高く、審査員からはグローバル市場の大きさから、実現可能性について期待を寄せるコメントをいただきました。

続いては、ミドル級バトルの開幕です。
対戦する企業は、こちらの2社。

<ミドル級バトル>

Liquid Mine, Inc.
COO 小出 俊輔 氏

白血病治療の「検査⽅法がない」という問題を解決し、ゲノム解析により白血病治療のためのテーラーメイド検査薬を提供するLiquidMine。
辛い検査を無痛で低侵襲にし、これまで部分的にしかわからなかった個々の患者さんの遺伝子変異情報をゲノム解析によりすべて明らかにすることを可能にすることにより、患者さんに希望をもたらします。

INOPASE Inc
CEO 杉本 宗優 氏

ワイヤレスパワーとクローズドループ技術を利用した埋め込み型神経調節医療機器を開発するINOPASE。インプラント装置を従来の装置より90%小型化し、手術回数の削減と安全性の向上により患者の負担を軽減します。また、神経活動のセンシングに基づくパーソナライズされた刺激アルゴリズムを開発し、より良い治療効果を実現します。

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2社ともに、患者のリアルな痛みの解決に取り組み、また将来は適用される疾病の幅も広がる可能性を秘めています。

審査員の票が順に、青のINOPASE, 赤のLiquid Mineへと分かれます。2社とも患者の負担を大きく軽減する技術に挑んでおり、甲乙つけがたいところ。そして判定は3人目の審査員に委ねられます…!

…緊迫の中、勝利の軍配が上がったのは、青のINOPASE社。今後ヨーロッパ市場に進出する計画もあり、世界大会での活躍にも期待できそうです!

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勝利にはあと一歩でしたが、Liquid Mineへは、ゲノム医療を発展させることで、今後白血病のみならず、より広範なガン治療に応用される可能性について審査員から期待するコメントがありました。

<ヘビー級バトル>

いよいよ、最後の対戦となるヘビー級バトルのゴングが鳴ります!
卓越した製品を確立し、実績を積み上げてきた実力派スタートアップが対戦する最終ラウンドに登壇した企業は、こちらの2社です!

Magic Shields, Inc.
CEO 下村 明司 氏

高齢者の転倒による骨折を防ぐため、歩行時や車いすが乗ってもへこまず、転倒したときだけ柔らかくなる新素材を開発。床やマットとして販売している。
歩行安定性と衝撃吸収性の2つの性質を合わせ持つ新素材・構造で、既に400施設以上の医療・福祉施設で導入済。導入先での転倒による大腿骨骨折報告数はゼロ。

CogSmart Co., Ltd.
CEO 樋口 彰 氏

認知症予防のためのソリューションを開発するCogSmart。MRI画像のAI解析により、認知機能低下のリスクを検出し脳健康レベルを算出する脳ドック用プログラムを提供します。認知能力はじめ脳の健康状態を見える化し、評価し、脳の健康管理アプリで改善する、一連の「生涯健康脳サイクル」を提案します。

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ともに日本での実績が大きく、今後の販売戦略も明らかで、審査員からの質問にも具体的な回答を投げ返していく両者。とても見ごたえのあるヘビー級バトルとなりました。

そして投票結果は…、満場一致で赤コーナーのMagic Shieldsがヘビー級の勝利を獲得しました!
現行の高齢者向けの病院や介護施設への導入だけでなく、妊婦や子ども、建設現場など、より広範な市場へ拡大する可能性と設置の簡便さも評価されました。

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一方でCogSmartの提案する「診断」と「理解」と「改善」という脳の健康サイクルに沿った2つの製品販売戦略にも、審査員からの賞賛のコメントが寄せられました。

高齢化社会が進むにつれ、対策がより重要となる「転倒・骨折」そして「認知症」の大きな課題に挑戦するMagic ShieldsとCogSmartの2社の健闘を称えたいと思います!

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ヘルステックという分野で、革新的な技術を持つスタートアップが集結した今回の大会では、チームや技術、市場拡大などのポテンシャルが拮抗し、勝敗を決するのが難しい場面もありました。

審査員から登壇各社への質問により、各社が深堀りされていく質疑の時間も、このコンテストの見どころですので、どうぞお見逃しなく!

日本決勝戦も回を重ねるごとに、英語ピッチと質疑の円滑さも向上し、優勝者が参加するGlobal Meetup(世界大会)での活躍も期待されています。

決勝戦の参加者には、勝敗にかかわらず、審査員のみなさまからも惜しみない賞賛と今後の飛躍への期待のコメントが寄せられ、またスポンサー企業のみなさまからは各受賞者へ副賞が贈呈されました。

これからも大阪イノベーションハブは、GET IN THE RING OSAKAに参加した、すべてのグローバル志向のスタートアップの応援を続けてまいります。

イベントの様子はOIH YouTubeチャンネルでご覧いただけます!

イベント概要

GET IN THE RING OSAKA 2023
2023年2月17日(金)

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