今年度で6年目の開催となった最もエキサイティングなスタートアップピッチバトル「GET IN THE
RING OSAKA」。今回のテーマは、「サステナブル・ビジネス」。完全オンラインで行われたピッチバトルへ世界各国で活躍中の起業家たちが、各地より、ここ大阪に設置した特設リングへ集結しました。
過去のピッチバトルのレベルを超えるクオリティで、予選会、決勝大会ともに素晴らしいスタートアップが参加してくれました。
本番がスタートすると、我らがリングマスター Nathan Bryan氏が、オープニングソングにのって軽快にリング
IN。バトルの説明と審査員をテンポよく紹介。いよいよスタートアップバトルのスタートです!
ライト級バトル
まずは、ライト級バトルから始まります!
対戦するのは、こちらの2社。
■株式会社Sunda Global Technology
代表 坪井 彩 氏
ウガンダにある既存ハンドポンプ井戸にSundaが開発する従量課金型のシステムを設置することで、自動井戸料金回収が可能となります。
Sundaは、継続的な水料金回収とそれによる継続的な井戸の稼働を実現するため、これまでの井戸管理とは違い、「人」に依存しない自動化された料金回収のしくみを構築。また、現金ではなくモバイルマネーによる支払いと管理をすることで、回収金管理の安全性も向上。利用料に応じた課金により、公平性も高め、住民も安心して支払うことができます。
■PEEL Lab
共同創業者 Jim Huang 氏
通常では捨てられるジュース工場の果物の皮で新しい種類のレザーを製造しています。このレザーは、動物性レザーよりも安価で、かつ持続可能です。自然界にある素材からエシカルに生産されていて、皮革の代替品であるだけでなく、実際に地球に影響を与える廃棄物、排出物、その他の汚染物質を削減する配慮をすることで、自然環境や社会へ貢献しています。
審査の結果、勝利を勝ち取ったのは、Sundaの坪井 彩 氏でした!水問題という人間が生きていくために必要不可欠な社会的問題へのサポート、ウガンダというアフリカの土地で、この大きな課題に立ち向かう日本人女性起業家へのエールと、これから何があっても頑張ってほしい!という想いがいっぱい詰まったGET IN THR RINGらしい審査結果でもありました。
勝利には至りませんでしたが、PEEL Labに対して審査員からの評価は高く、これからのグローバル市場の大きさや植物の廃棄問題にチャレンジするアップサイクル・ビジネスへの称賛コメントが多く述べられました。
ミドル級バトル
続いては、ミドル級バトル。
対戦する企業は、こちらの2社。
■サステナブル・ラボ 株式会社
グローバル戦略 高橋 浩太郎 氏
AIを活用した非財務/SDGsデータバンク「テラストβ」を開発・展開。SX(サステナビリティ・トランスメーション)を促進する、日本で唯一のSDGs/ESGに特化した非財務ビッグデータ集団です。非財務データバンクを活用し、環境・社会利益を多く生み出している企業や自治体を可視化することを可能にします。
■AC Biode株式会社
代表 久保 直嗣 氏
有機ごみとプラスチックごみを低温で炭化、または解重合する触媒、Plastalyst(プラスタリスト)を開発・展開。プラスチック廃棄物を分解してモノマーガスにするための化学触媒(特許出願中)を開発しています。
こちらのバトルで軍配が上がったのは、AC Biode。地球環境問題のなかでも大きな課題である、ごみ処理と再利用素材開発に挑戦するAC Biodeへの期待と市場の大きさ、そして何より今後なくてはならない最先端技術を用いた溶媒システムの開発・展開に審査員の投票も満場一致となりました。
一方で、サステナブル・ラボのESG投資のデータバンクという、今後注目される新たな分野に対して、審査員からの質問も多く出ました。まずは、国内での展開が期待されます。
ヘビー級バトル
そして、最後の対戦はヘビー級バトル。
GET IN THE RING OSAKA史上初の女性登壇者同士の対決として、最も華やかで緊張が張り詰める一戦となりました。
対戦する企業は、こちらの2社。
■PJP Eye株式会社
セールス・ディレクター Viktoriya Shirota 氏
一般的なリチウムイオン・バッテリーと比べて、およそ10倍の速さで急速充電ができ、5倍以上の寿命を持つ炭素電池、カンブリアン(Cambrian)を開発・展開。レアメタルを一切含ままないため、資源制約を受けにくく、環境負荷の低いPJP Eye独自のカーボン・材料を採用しています。
■株式会社ウォーターデザインジャパン
共同創業者 伊藤 夏美 氏
世界で初めて水道器具認証を受けた特許技術・ウルトラファインバブル生成ノズル『UFB DUAL』を開発・販売。ウルトラファインバブルの製造方法には、大きな気泡を機械で潰すバッチ式と、特殊なノズルを用いた連続式の2種類があり、工業用としては、連続的に生産でき、外部の空気やガス、電気を必要としないノズルが適しています。環境、農業、食品、水産業、洗浄、産業、美容、医療など、様々な分野においての応用が期待・実用化がされてる、日本初の革新的技術です。
両者が挑む社会問題は、どちらも世界的な環境問題であるエネルギーと水環境問題。
サステナブル性の角度や社会的インパクトの大きさなどからみても、非常に優れた技術であり、グローバルマーケットも巨大であることから審査員も審査に時間がかかっている様子・・・。そして投票は、赤と青に1票ずつ上がり、迎えた最後の1票は・・・、PJP Eyeへ投じられました!
見ているだけで、手に汗握る審査結果でした。
メッセージ
今回のバトルでは、「サステナブル・ビジネス」という時代の流れを感じさせる新しいビジネスを展開するスタートアップが集結したと同時に、地球環境問題を私たち自身も考えていかなくてはならないと感じるきっかけを与えてくれる機会となりました。ビジネスの収益性だけではなく、持続可能な社会、そして世界をつくり出すために立ち向かう素晴らしいスタートアップを応援せずにはいられません。予選、決勝にご協力頂いた審査員のみなさま、スポンサー企業のみなさまからも、参加した全てのスタートアップ企業へエールが送られました。
これからも、大阪イノベーションハブはGET IN THE RING OSAKAに参加した全ての方々のビジネスの前進をサポートさせて頂きます!
イベントの様子はOIH YouTubeチャンネンルでご覧いただけます!
ぜひご覧ください!
■GET IN THE RING OSAKA 2021 -Sustainable Business-
イベント概要
GET IN THE RING OSAKA 2021 -Sustainable Business-
2021年12月14日(火)